結論から言うと
古いレコードの多くは安い値段で取引されています。大量に作られ、今もたくさん出回っているからです。一方で、ずっと高く売れる盤も一部あります。人気のあるアルバムの特定のプレスで、状態がきれいで、オリジナルのジャケットや付属品がそろっているものです。どちらに当てはまるかは、正確な盤を特定し、状態を正直に判定し、同じプレスの取引価格と比べればわかります。
1. 盤を特定する
アルバム名だけでは足りません。同じアルバムでも、年代、国、レーベルの違う多くのバージョンがあり、買い手はそれぞれを別のものとして値段を付けます。次の点をメモしましょう。
- アーティスト名とタイトル:レーベル面に印刷されているとおりに。
- レコード会社:サブレーベルや販売元も含めて。
- 規格番号(カタログ番号):背、裏ジャケット、レーベル面にあることが多い番号です。Discogsのようなディスコグラフィーのデータベースで盤を探す近道ですが、複数のプレスが同じ番号を使っていることもあるので、出発点として使いましょう。
- 国とおおよその年代:「Made in」の表記、レコード会社の住所、レーベルのデザインから判断します。著作権表示の年は最初に発売された年を示すもので、再発盤にもそのまま印刷されることが多いため、手元の盤がプレスされた年の証明にはなりません。
- 形態:LP、EP、シングルの別、モノラルかステレオか、回転数。
規格番号とアーティスト名で検索しましょう。Discogsでは、1つのアルバムのバージョンがまとめられていて、バージョンごとのページにレーベルの写真やそのプレスのマトリクス番号が載っていることがよくあります。
2. オリジナル盤か再発盤か
コレクター人気のあるアルバムでは、オリジナル盤(初回プレス)が、表から見るとほとんど同じ再発盤よりずっと高く売れることがよくあります。次の2つを確認しましょう。
レーベルのデザイン
レコード会社は、年代によってレーベルの色、ロゴ、印刷される文字を変えてきました。データベースにある各バージョンの写真と見比べましょう。ジャケットにバーコードが印刷される前の時代に発売されたアルバムなのにバーコードがあれば、後のプレスだと考えられます。新しいロゴ、後の住所、「デジタル・リマスター」の表記も、再発盤によくあるサインです。
デッドワックスのマトリクス番号
デッドワックス(ランアウト)は、最後の曲の溝とレーベルの間にある、溝のない部分です。ここには刻印や手書きの番号が入っていることが多く、面ごとのマトリクス番号のほか、スタンパーの番号、プレス工場の印、カッティング・エンジニアのイニシャルなどがあります。コレクターはこの番号でプレスを見分けます。明るい光の下で盤を傾け、小さな文字や数字も含めて正確に書き写し、そのアルバムのバージョン一覧と照らし合わせましょう。どのバージョンとも一致しない場合は、珍しい盤だと決めつける前に、専門店やコレクターのコミュニティに聞いてみてください。
3. 盤とジャケットは別々に評価する
買い手は、盤とジャケットのそれぞれの状態を知りたがります。海外では、Mint(M)、Near Mint(NM)から、VG+、VG、G+、G、そしてFair(F)、Poor(P)までの段階がよく使われます。国内の中古レコード店では「A・B・C」のような独自の表記もあり、売り場ごとに基準の言葉が少しずつ違うので、売る場所の定義を確認しましょう。
- 盤:明るい光の下で、スレ、キズ、反り、割れを確認します。できれば再生しましょう。見た目がきれいでもノイズが出ることがあります。
- ジャケット:リングウェア(盤の跡の擦れ)、継ぎ目の裂け、書き込み、値札シール、水濡れ、角の傷みを確認します。
評価は控えめにし、傷みは言葉でも説明しましょう。実際より良く書くと、返品の原因になります。
4. 帯、付属品、ジャケットのない盤
オリジナルの付属品は、コレクター向けのレコードの価値を大きく左右します。日本盤では特に帯が重視され、帯付きかどうかで評価が変わることがよくあります。ほかにも、歌詞カードやライナー、印刷入りの内袋、ポスター、ステッカー、ブックレット、シュリンクに貼られた宣伝ステッカーなどを探し、どれがあってどんな状態かを書き留めましょう。
ジャケットのない盤や、盤のないジャケットは、たいてい大きく値段が下がります。プレス自体に需要があれば出品する価値はありますが、欠けているものをはっきり書きましょう。シングル盤は無地や会社共通の袋で売られていたものも多いため、まず盤そのものが大事で、オリジナルのピクチャースリーブがあればプラスになります。
5. 見本盤、テストプレス、エラー、人気のジャンル
- 見本盤(プロモ盤):「見本盤」「非売品」などの表示やスタンプ、シール、通常と違うレーベル(日本盤では白レーベルのものがよく知られています)が目印です。人気作の見本盤はコレクターに好まれることがあります。
- テストプレス:音を確認するために作られた初期の盤で、無地の白いレーベルに手書きの情報が入っていることが多いものです。無地のレーベルは偽造しやすく、マトリクス番号が一致するだけでは本物のテストプレスとは言えません。高い値段を払う前に、入手経路を確認し、専門家の意見を聞きましょう。
- エラーや回収されたバージョン:レーベルの誤植、A面とB面のレーベルの貼り違い、発売後すぐに回収・変更されたジャケットなど。その盤のバリエーションとして記録されているか確認しましょう。「エラー」の中には後から作られたものもあります。
- 人気のジャンル:ジャズ、ソウル、ファンク、パンク、サイケデリック、レゲエ、初期のロックンロールのオリジナル盤や、小規模な自主制作盤・地方の盤には、熱心な買い手がいることがあります。
イージーリスニング、定番のクラシック、クリスマスアルバム、当時の大ヒット作はたいてい数が多く安価です。珍しいプレスでない限り、高値は期待しにくいでしょう。
6. 同じアルバムではなく、同じプレスの取引価格と比べる
盤を特定できたら、そのプレスが実際にいくらで売れたかを調べます。再発盤の取引価格はオリジナル盤の参考になりにくく、その逆も同じです。
- Discogsでは、バージョンごとのページで、そこで最後に売れた時期や、最低・中央・最高の取引価格が見られることがあります。状態の違う盤が混ざった数字なので、目安として使いましょう。
- メルカリなどのフリマアプリでは売り切れの商品を、ヤフオクでは落札相場を見て、写真や説明文のレーベル、規格番号、わかればマトリクス番号が同じか、1件ずつ確認します。
- 状態も合わせましょう。同じプレスでも、NMとVGでは値段が大きく違うことがあります。
売れていない出品の価格は、売り手の希望にすぎません。相場の調べ方はいくらで売れる?中古品の価値の調べ方で解説しています。
7. 1枚ずつ、まとめて、コレクションごと
- 価値のあるレコードは、ジャケット、両面のレーベル、デッドワックスの鮮明な写真と正直な評価を付けて、1枚ずつ出品する価値があります。
- よくあるレコードは、ジャンルやアーティストごとのまとめ売りにすると売れやすく、レコードフェア、中古レコード店、フリーマーケットも選択肢です。
- コレクション全体は、レコード買取店に一度に売ることもできます。早い反面、店は利益を出す必要があるので、1枚ずつ売るより安くなると考えましょう。先に良い盤を抜き出しておくのがおすすめです。詳しくはコレクションをまとめて売る方法をご覧ください。
安い盤を1枚ずつ売ると、送料と梱包材で手元に残る金額が減ります。出品前に、手数料と送料を引いた金額を計算しましょう。発送するときはレコード用の梱包材を使い、継ぎ目の裂けを防ぐため、盤は内袋に入れてジャケットの中ではなく横に並べて梱包します。
WorthAIでできること
WorthAIは写真からアイテムを特定し、推定価値の幅と、その根拠になった出品情報を表示するので、根拠を自分で確かめられます。たくさんのレコードを仕分けるときの最初の目安になります。ただし、ジャケットの写真だけではオリジナル盤と再発盤を見分けられないことがあり、同じアルバムのほかのバージョンの出品は、手元の盤に当てはまらないこともあります。レーベルとマトリクス番号を確認し、バージョンが違っていたら「結果を改善」をタップしましょう。レーベルやマトリクス番号が初期の盤や珍しい盤を示しているなら、推定が低いというだけでありふれた盤だと判断しないでください。値段を決める前、売買の前に、詳細を確かめましょう。
よくある質問
手持ちのレコードに価値があるかどうか、どうすればわかりますか?
レーベル、規格番号、デッドワックスのマトリクス番号から正確なプレスを特定し、盤とジャケットの状態を正直に判定してから、同じプレス・同程度の状態の最近の取引価格と比べましょう。
オリジナル盤は必ず再発盤より高いのですか?
必ずではありません。人気アルバムのオリジナル盤は高く売れることが多いですが、大ヒットして大量に売れたアルバムはオリジナル盤でも安いことがあり、再発盤の中にもそれ自体が収集対象になっているものがあります。
売る前にレコードをクリーニングしたほうがいいですか?
レコード用のブラシや専用のクリーナー液で軽く掃除すると、ほこりが取れて再生状態が良くなることがあります。家庭用の洗剤は避け、紙のレーベルに液が付かないようにしましょう。キズを隠そうとはせず、状態は正直に説明してください。